核心内容の要約
今年上半期、宅配業界は過去の激しい価格競争(「反内巻」)から脱却し、中通、円通、極兔などの大手企業の純利益が大幅に増加しました。この成長は主に3つの要因によるものです:
1. 規制当局の指導により業界内の競争が緩和され、「規模を競う」から「価値を競う」へと転換したこと。
2. AIや無人設備などの技術を活用してコストを削減し、効率を向上させたこと。
3. 国際事業(東南アジア、ラテンアメリカ、中東など)が新たな成長点となったこと。
専門家はこれを業界の「経営品質の回復」と見ており、今後の注目点は海外展開と自動化です。しかし、コスト上昇やフランチャイズシステムにおける利益分配の調整などの課題も存在します。
詳細な解説
1. 利益急増の鍵:業界がついに「内巻」から脱却
以前は顧客を獲得するために互いに価格を下げ、損をしてでも宅配サービスを提供することがありました。しかし今では規制当局の指導により、「低価格」ではなく「サービス品質」が重視されるようになりました。例えば、中通の創業者である賴梅松氏は、業界の焦点が「配送量の追求」から「量と品質の両方」へと変わったと述べています。極兔も反内巻策により競争がより合理的になったとしています。その結果、極兔の上半期の純利益は124%増加し、円通は73%増加、中通は第2四半期に56%増加しました。つまり、「損をしてでも宣伝する」必要がなくなったのです。
2. コスト削減の工夫:AIと無人設備がコスト削減を助ける
競争が激しくないため、宅配企業は技術を活用してコストを削減しています。極兔は1900台以上の無人物流車を導入し(前年末比で87%増)、AIを使ってルートや分類作業を最適化しています。円通は自動化された分類設備を使用し、1件あたりの配送コストを約6%削減しました。中通もデジタル化管理により、分類と輸送のコストを1件あたり2円削減しています。これらの取り組みによりコストが下がり、粗利益が自然と増加しました(円通の粗利益は57%増加)。
3. 新たな成長点:国際事業が注目されている
国内市場が安定したため、宅配企業は海外市場に目を向けています。極兔の東南アジアでの配送量は71%増加し、ラテンアメリカや中東では119%増加しており、TikTok、SHEIN、Temuなどのクロスボーダーエコマース企業と協力しています。円通は150カ国以上にネットワークを持っています。また、中通は高価値な大口顧客向けのサービス(例:プラットフォームからの返品商品)の比率を増やしています。海外のエコマーシャル市場が急速に発展しており、宅配業界も新たな利益源となっています。
4. 専門家の見解:現在は「回復期」であり、将来には喜びも悩みもある
宅配専門家の赵小敏氏によると、今回の利益増加は配送量の増加ではなく(業務量の成長率は低い)、内部管理や競争環境が改善された結果です。下半期は繁忙期であり(エコマーシャルの大規模セールや海外での在庫準備など)、さらに良いパフォーマンスが期待されます。しかし、反内巻の取り組みが十分かどうか、コスト規制(例:環境に優しい包装)によるコスト増加、フランチャイズシステムの利益分配の調整などの課題もあります。
5. 今後の注目点:海外展開と自動化が鍵
赵小敏氏は、宅配業界の今後の重点は海外展開(極兔のラテンアメリカや中東への進出、円通のグローバルネットワークの拡大)、自動化(無人車や分類設備の導入)だと考えています。これらによりコストを継続的に削減し、新たな市場を獲得できるでしょう。しかし、コスト上昇や利益分配の調整といった問題も解決する必要があります。そうでなければ業界の成長は妨げられる可能性があります。
全体として、宅配業界は「低価格競争」から「利益追求」へと移行しましたが、持続的な成長を実現するためには内部管理やコスト規制といった課題に取り組む必要があります。一般消費者が感じる変化としては、宅配サービスの品質向上(例:紛失件数の減少)が挙げられますが、宅配料金が以前のように安価ではなくなる可能性もあります。