中国のペット経済が爆発的な成長を迎えている:2025年の市場規模は3126億元を突破し、2028年には4000億元に達する見込み。旺旺(Wangwang)、比亞迪(BYD)、海爾(Haier)、海正医薬(Hisun Pharmaceutical)などの大手企業がこの分野に参入している。これらの企業はゼロから始めたわけではなく、食品、医薬、家電などの分野で培った技術やノウハウをペット市場に応用している。業界の成長の仕組みも、「ペットを飼う人の増加」という量的な拡大から、「1匹のペットにかける消費額の増加」という質的な向上へと変化している。国産製品の普及や海外市場への進出も新たな成長の原動力となっているが、海外の規制やブランド認知といった課題にも直面しており、産業資本の再構築の新たな段階に入っている。
なぜ大手企業がペット市場に参入するのか?
簡単に言えば、この市場は大きく、安定しており、さらに急速に成長しているからだ。
- 市場規模の大きさ:2025年のペット消費市場は3100億元を超え、そのうち食品が半分以上を占める。2028年には4000億元に達し、年間で約300億元の新規市場が生まれる見込みだ。
- 安定した成長:ペット食品市場は年平均で二桁の成長を続けており、経済の変動にあまり影響されない消費分野の一つだ。ペットの飼い主はどんなに節約しても、自分のペットを大切にする。
- ユーザー層の重複:例えば旺旺の主要なユーザーは若い女性であり、ペットを飼う人の主力層(若い女性が60%以上を占める)とほぼ重なっている。ペット関連のブランドに投資することで、既存のユーザーの信頼をそのまま活用できる。
大手企業の参入は単なる試みではない。彼らは「異分野の技術を活用して競争している」
大手企業はゼロからペット製品を作り始めるのではなく、自社の強みをそのままペット市場に応用している。
- 旺旺:人間用の食品の生産基準やブランドの信頼性を活かしてペット食品を製造している。ペット食品の核心は信頼性であり、旺旺のブランド力が新製品の受け入れを容易にしている。
- 海正医薬:医薬品の厳格な基準をペット医薬品に応用しており、無菌製造や成分検査などで高い信頼性を誇る。10年前は国産のペット医薬品がほとんどなかったが、現在ではワクチン、化学薬、処方食などの製品ラインナップを持ち、年間4~6種類の新製品を発売している。
- 海爾/ホニウェル(Honeywell):家電技術をペット市場に応用している。海爾はペットの毛を取り除く洗濯機を開発し、ホニウェルは猫用の空気清浄器を第5世代にアップグレードし、自動吸塵機能を搭載している。
ペット経済は変化している:「多く飼う」から「よく飼う」へ
過去10年間、ペット市場の成長は「ペットを飼う人の増加」によるものだった(普及率は10%から24%に上昇)。しかし現在は新規ペットの増加率が鈍化しており、「1匹のペットにかける消費額の増加」に移行している。
- 1匹のペットにかける消費額の増加:2025年にはペット医療の消費が市場の27.6%(約863億元)を占める見込みで、以前よりも高い。ペットの飼い主はワクチンや駆虫剤、高齢ペットのケアにお金をかける傾向がある。特に6歳以上のペットの割合が30%を超えており、関節の健康維持や慢性病の管理が新たなニーズとなっている。
- 品質の向上:以前はペットフードが食べられれば良かったが、現在は猫用/犬用、子犬用/高齢ペット用などに分かれ、さらには「処方食」(例えば腎臓病用)が求められるようになっている。予防製品(駆虫剤、ワクチン)の成長率が治療薬を上回っており、ペットの飼い主は健康管理をより重視している。
国産製品の普及と海外市場への進出:新たな成長の道
- 国産製品の普及が加速:国産ブランドのシェアは2021年の18.3%から2026年には41.7%に上昇したが、ペット医薬品はまだ始まったばかりだ。例えば猫用の三種混合ワクチンや高級な駆虫剤は依然として輸入品が主流だが、国産化の余地は大きい。
- 海外市場への進出が鍵:世界のペット市場は2026年に2870億ドル(約1.93兆円)に達する見込みで、中国ブランドのシェアはまだ小さい。海正医薬は8億元を投じて国際生産ラインを建設し、製品をベトナムやオーストラリアなどに販売しているが、2つの課題に直面している:
1. 各国の規制の違い:ベトナムやオーストラリアの医薬品登録要件が異なり、現地のチームが必要だ。
2. ブランド認知の低さ:海外の消費者は中国ブランドを認識しておらず、GMP(国際的な認証基準)や現地のパートナー(例えばメキシコの製薬会社)を通じて信頼を築く必要がある。単に価格競争では勝てない。
産業は「大手企業による再構築」の新たな段階に入っている
以前のペット市場は小規模なブランド間の競争だったが、大手企業の参入により資本、技術、ブランドが導入され、業界の水準が向上している。
- 例えば、アジアペット展(Asia Pet Expo)では比亞迪やホニウェルのような非ペット関連企業も多数出展しており、ペット市場が「ニッチな趣味」から「大衆消費」へと変化していることを示している。
- 大手企業の参入により、小規模なブランドは細分化された分野で専門化するか、市場から消えるかの選択を迫られている。
まとめ
中国のペット経済は爆発的な成長を迎えており、2025年には市場規模が3126億元を突破し、2028年には4000億元に達する見込みだ。旺旺、比亞迪、海爾、海正医薬などの大手企業が参入しており、食品、医薬、家電などの技術を活用して市場を拡大している。業界の成長の仕組みも量的な拡大から質的な向上へと変化しており、国産製品の普及や海外市場への進出が新たな成長の原動力となっている。しかし、海外の規制やブランド認知といった課題にも直面しており、産業資本の再構築の新たな段階に入っている。