核心内容の要約
医療保険の第15次5カ年計画の基本的な考え方は「収入の安定と支出の抑制」である。これを実現するために、資金調達側の質の向上(特に職員医療保険の強化と統括レベルの向上)と支出側の範囲の拡大(既存の費用抑制策をより多くの場面に適用する)を図り、医療保険基金の長期的な持続可能性を確保する。同時に、「普遍的かつ公平な」原則を堅持する——基本医療保険は基本的な医療費のみをカバーし、より高い医療費は大病保険や民間保険などの補完制度に頼る。
解説
1. 資金調達側:なぜ職員医療保険に重点を置くのか?
現在、医療保険のカバー率は95%に達しており、さらなる拡大の余地はあまりないため、質の向上が求められている。職員医療保険が重点とされるのは、個人と企業が毎月保険料を支払うという安定した仕組みがあるからである。一方、住民医療保険の2/3は財政に依存しており、地方財政の圧力が大きく、さらなる拡大は困難である。
- 職員医療保険の質の向上:企業が保険料を少なく払っているか漏れていないかのチェックや是正が行われる。また、フリーランサーや配達員などの柔軟な労働者を職員医療保険に加入させることで、基金収入を増やす。
- 住民医療保険の資金調達:企業や団体による住民の保険料の補助が奨励される(例:村が高齢者の保険料を補助する)。
2. 省レベルの統括
2029年までに全省の医療保険費用を統一的に管理し、相互に調整することが計画されている。
- 課題:省内の経済状況には大きな差があり、例えば深センでは職員医療保険の保険料が多くて給付も高いが、西部地域では少なくて給付も低いため、一律にするのは現実的ではない。
- 解決策:「省レベルの調整基金」を利用して給付の格差を縮小しつつ、合理的な差を保つ(例:発展した地域の給付率が遅れた地域よりも10%~20%高いが、倍にはならない)。
3. 基本医療保険は「基本的な医療」のみをカバーし、より良い給付を望むなら補完制度が必要
基本医療保険は風邪や高血圧の薬などの「日常的な医療費」のみをカバーする。大病(がん)や高価な薬(ターゲット治療薬)については、大病保険や医療救済、または民間保険の加入が必要である。
- 大病保険や医療救済には財政補助があり、民間保険や互助制度は自己負担となる。これらの補完制度の重要性は今後ますます高まるだろう。
4. 支出側の範囲の拡大
薬品や医療サービスの全国統一リストが導入される。
これまでは薬品リストのみが全国統一されていたが、医療機器(心臓ステント)や医療サービス(手術費)の基準は地域によって異なり、価格の混乱があった。
- 第一段階:省内の医療機器やサービスのリストを統一する。
- 第二段階:全国統一リストの作成。
- 影響:統一後、医療サービスの価格は動的に調整され(例:看護師のサービス料が上がれば価格も調整される)、医療機器の価格も適切になる。
5. 支出側の範囲の拡大(費用抑制策の適用範囲の拡大)
効果的な費用抑制策を未カバーの地域にも適用する:
- 集団購入による薬品の報酬:例:集団購入された降圧薬が20元であれば、原価が100元の薬も医療保険で20元までしか支払われず、残りの80元は自己負担となる。これにより原価の高い薬の価格が下がる。
- 異地での医療におけるDRG(診療群別支払い)制度の導入:以前は異地での入院には項目ごとに費用がかかったが、現在は病気の種類に応じて固定額で支払われる。これにより、過剰な検査や請求が防がれる。
まとめ
今後5年間で、医療保険はより費用を抑えつつも安定した運営が図られる。基本的な保障は変わらないが、より良い医療を受けたい場合は、自己で補完制度を充実させる必要がある。