核心内容の要約
ペットフード市場の総規模は依然として増加している(2028年には4050億元に達する見込み)が、トップ企業(中宠、佩蒂)は「売上は増えても利益が増えない」という困難に直面している。売上は上がっているものの、利益は減少している。その原因は、コストの上昇と競争の激化(食品大手の参入や海外ブランドによる市場の奪い合い)にある。また、業界の成長の論理も「ペットの飼育数の増加」から「ペットの質の向上」へと変化しており、機能性や新鮮さなどの構造的な機会が新たな成長のチャンスとなっている。
一、トップ企業の「売れても利益が少ない」状況:コストと宣伝費が利益を食い込む
中宠と佩蒂の上半期の業績は「収入は増えても利益が減少」であった。中宠の収入は34.9%増加したが、利益は37.6%減少した。佩蒂の収入は1%増加したが、利益は69.3%激減した。なぜか?
- 原材料コストの上昇:中宠の営業コストは45.7%増加し(収入の増加率を10ポイント上回る)、佩蒂の各カテゴリーの毛利率は3~7ポイント減少した。つまり、肉や穀物などの原材料の価格が上がり、1元の製品を売っても以前よりも稼げる金額が減っている。
- 宣伝費の増加:中宠の販売費用は46.3%増加し(4.3億元)、ブランドの構築やプロモーションに費用をかけて顧客を獲得する必要がある。以前は業界の競争がそれほど激しくなかったが、今では宣伝費をかけなければ売れないため、利益が圧迫されている。
二、業界の激しい競争:大手の参入と新規参入者の増加
ペットフード市場は非常に魅力的で(総消費の50%以上を占める)、既存の企業だけでなく新規参入者も増えている:
- 食品大手の参入:金锣、双汇、伊利などが市場に参入し、旺旺もペットブランド「毛星球」に戦略的投資をしている。これらの大企業は資金とチャネルを持っており、市場シェアを奪っている。
- 海外ブランドの進出:中宠の財務報告によると、海外の有名ブランドも中国に進出しており、企業はより多くの宣伝費をかけなければならなくなり、毛利率がさらに低下している。
- 業界の集中度の低さ:国内のペット企業が多すぎるため、皆が市場シェアを争い、価格を下げたりマーケティングに力を入れたりしており、利益の余地が圧縮されている。
三、成長の論理の変化:「飼育数の増加」から「飼育の質の向上」へ
以前のペットフード市場の成長は「ペットを飼う人の増加」に依存していたが、今はその時代は終わった:
- 成長の鈍化:2023年以降、業界の成長率は4%~5%にとどまっており、ペットを飼う人の数はほぼ安定している。
- 構造的な機会の出現:飼い主はペットにより良い食品を選ぶようになっている。例えば、配合や原材料のトレーサビリティ(食材の出所を明確にすること)、機能性(毛の美しさや消化の調整など)が求められている。人間が「食べる量」から「食べる質」へと移行したように、ペットフードも進化している。
四、新たな成長のチャンス:新鮮さと機能性
アジアペットフード展では、ペットフードが「人間の食品」に似てきている傾向が明らかになった:
- 新鮮な食品の人気:「温食纪」は低温でゆっくりと調理された新鮮な穀物を製造し、ペット用の新鮮な食品レストランも開いている。毛星球は新鮮な肉や主食の缶詰を主力商品としている。これらの製品はより新鮮で、飼い主のペットの健康へのニーズに応えている。
- 機能性の細分化:ネスレプリナは高齢ペット向けの栄養食品など、より多くの湿潤食品を開発している。小包装で単価が低い(10元前後)ため、飼い主が試しやすくなっている。
- 原材料表示の透明性:毛星球の総経理によると、飼い主は原材料の安全性を気にしており、原材料表示が透明で信頼できることが求められている。人間が食品を買うときに成分表を見るように、ペットの飼い主もこれを重視するようになっている。
五、突破口:イノベーションとアップグレードでチャンスをつかむ
競争は激しいが、業界にはまだ成長の余地がある:
- イノベーションが必要:企業は配合の研究開発や原材料のトレーサビリティに力を入れる必要がある。例えば、異なる年齢やニーズに合わせた機能性食品を開発すること。
- トレンドに追随する:新鮮さや機能性が大きな方向性であり、飼い主に信頼される製品を早く市場に出せる企業が勝つ。
- 朱丹蓬(業界専門家)の言葉:企業が生き残れるかどうかは、「イノベーション、アップグレード、繰り返しの改善」が鍵だ。進歩しなければ淘汰される。
要するに、ペットフード市場は衰退しているわけではなく、「座っておいても儲かる」時代は終わった。今は本当の実力が求められている。製品をより健康的で特徴的にするか、コストをしっかりとコントロールするかが必要だ。さもなければ、中宠や佩蒂のように、売上は増えても利益が少なくなるだけだ。