虎嗅

**日本語の見出し:** 馬雲はもはや「他人の話を聞くだけ」の立場ではない

原文:马云不再吃瓜

核心内容の要約

最近のアリババの動きは非常に矛盾している。一方で財務報告によると利益が75%も大幅に減少している(AIに巨額の資金を投じたため)が、他方で800億香港ドルをAIに投じるための資金調達を行い、その結果株価は約10%下落した。しかし市場が迷っているその時、ジャック・マー氏は経営陣と共に株を増やし、合計で8億香港ドル以上を投じた。これは実際にはアリババが「事業転換」の苦痛を経験していることを意味している。つまり、電子商取引で安定した収益を得ることから、AIの長期的な未来に賭ける方向へとシフトしているのだ。ジャック・マー氏の株の増持は、この転換への「信頼の投票」のようなものであり、今日の利益ではなく、アリババが自社を再定義できるかどうかを賭っているのだ。

詳細な解説

1. アリババの利益減少は「損失」ではなく、AIの「基盤整備」に資金を投じた結果

多くの人がアリババの純利益が75%減少したことを心配するが、これは「損失」ではなく、資金の使い方が変わっただけだ。以前は電子商取引で収益を上げており、タオバオやティエンマオで商品を売り、手数料を受け取ることで安定したキャッシュフローと利益を確保していた。しかし今はAIの時代であり、AIを実現するためには「基盤整備」が必要だ。例えば、計算能力(チップやデータセンター、クラウドサービスなど)を整える必要がある。これらはユーザーが来るのを待ってからではなく、事前に投資して準備しなければならない(レストランを開く場合、客が来るのを待ってから装飾や調理器具の購入を始めるわけにはいかない)。

財務報告によると資本支出は75%増加しており(676億香港ドルを投じた)、AI関連の収入は133%増加したが、収入の増加は資金支出のペースに追いついていない。したがって、利益が減少したからといって会社がダメになったわけではなく、「短期間で利益を上げる」モデルから、「投資してから利益を上げる」起業モデルへと変わっているだけだ。ただし、今回は投資額がより大きく、未来に賭けているのだ。

2. なぜ市場は800億香港ドルのAI投資を評価しないのか?資金が無駄になるのではないかと

アリババが800億香港ドルをAIに投じると発表したが、株価は逆に約10%下落した。なぜか?市場が気にしているのは「どれだけの資金を投じたか」ではなく、「その資金がいつ回収できるか」だ。

初期のAI競争では誰が最も多くの資金を投じるかが問われたが、今は「中盤」に差し掛かっており、投じた資金が実際に成果を生み出すことを証明する必要がある。アリババはAI関連の収入が12四半期連続で三位数の増加を達成したと述べているが、問題は、その増加した収入が現在投じた資金をカバーできるかどうか、そしていつ利益が以前の水準に戻るかだ。市場には明確な答えが見えないため、まずは「足で投票」しているのだ。

3. なぜジャック・マー氏はこのタイミングで株を増やすのか?差額を稼ぐためではなく、転換を支えるため

ジャック・マー氏は数年前にアリババの日常的な経営から離れているが、今回6億香港ドル以上を投じた。金額は多くないが、そのシグナルは非常に重要だ。もしアリババの利益が急増し、株価が急騰していたら、彼の株の増持は特に意味がないだろう。しかし、利益が減少し、株価が下落し、AIへの投資が価値があるかどうか疑問視されている今、彼が動いたのだ。これは短期的な株価の差額を稼ぐためではなく、市場に対して「私はこの会社がAI転換を成功させると信じている」と伝えるためだ。

ジャック・マー氏が見ているのは、今日のアリババの価値ではなく、自社が「再定義」する能力だ。まるで親が子供が大学に通うのを見守るように、今は多額の学費がかかるが、子供が将来成功すると信じているのだ。彼が買っているのはアリババの「未来の可能性」なのだ。

4. アリババのAI転換で最も難しいのは、「部品」を「利益を生む機械」に組み立てること

アリババはクラウドサービスやAIモデル(チャイウェン)、チップ、計算能力を持っているが、これらはすべて「部品」に過ぎない。それらを「利益を生む機械」にすることが鍵だ。どのように組み立てるか?以下のような循環を形成する必要がある:

  • チャイウェンモデルでユーザーを引き付ける → ユーザーがモデルを使うために計算能力が必要 → 計算能力はアリババのクラウドサービスから提供される → クラウドサービスの収入が増加 → 規模が大きくなれば基盤整備のコストが削減される → チップのコストがさらに下がり → ユーザーがより利用するようになる → 好循環が形成される。

この循環がうまく機能すれば、現在投じた676億香港ドルや800億香港ドルはすべて価値がある。しかし機能しなければ、これらの投資は市場の懸念事項になる。アリババが今直面している最大の問題は技術の欠如ではなく、技術を持続的な収益源に変える能力の欠如だ。

最後の一言

アリババは「電子商取引の巨人」から「AIの賭け手」へと変わろうとしている。ジャック・マー氏の株の増持は、この賭けにチップを加えるものだ。勝てるかどうかは、AIの「部品」を収益を生むチェーンに組み立てることができるかどうかにかかっている。スイカはゆっくりと食べることができるが、AIの次のステップは待てない。