コンサルティングレポート:康弘薬業の2026年上半期の業績分析
康弘薬業の2026年上半期の売上高と純利益は共に減少しました。その主な原因は、同社の「キャッシュカウ」である康柏西普の収入が大幅に減少したことにあります。かつては外国企業と競争できたこの眼疾患治療薬ですが、現在では新しいバイオセラピー製品の登場、バイオシミラー薬の市場シェアの奪取、医療保険制度の値下げ、付加価値税の引き上げといった複数の要因により苦境に立たされています。単一製品への依存から脱却するため、同社は遺伝子治療やがん治療薬の研究開発に力を入れていますが、これらのプロジェクトはまだ臨床試験段階にあり、期間が長くリスクも高いため、短期的には業績の回復は見込めません。康弘薬業は「旧来の収益源が弱まり、新たな成長点が確立されていない」という困難な状況にあります。
1. コア製品・康柏西普:「稼ぎ手」から「足かせ」へ
康柏西普は康弘薬業の生命線であり、過去10年間、同社の業績成長を支えてきました。2015年には生物製剤の収入はわずか267億円でしたが、2024年には244億3000万円にまで増加しました。しかし2026年上半期には前年比で18.13%減少し、総売上高の50.54%を占めるに至り、全体の業績を大きく下げました。簡単に言えば、家の支柱が突然病気になり、家族の収入に影響が出たようなものです。
2. 市場競争の激化:新たな競争相手の台頭
康柏西普の業績が悪化している主な理由は、新たな競争相手の登場です:
- バイオセラピー製品の台頭:ロシュ社のファレシマブは「ダブルアンタボディ」(2つの標的を同時に攻撃する)であり、月1回の注射で済み、患者にとって使いやすいです。2024年末には医療保険にも採用され、価格も安くなりました。2025年には全世界で50億9000万ドルの売上を記録し、12%の増加を達成しました。
- バイオシミラー薬の影響:アベシプやレズマブのバイオシミラー薬が市場に登場し、原薬よりも安い価格で中低価格帯の市場シェアを奪っています。今後2~3年間でさらに多くの新薬が登場する見込みで、康柏西普の市場シェアはさらに縮小するでしょう。まるであなたの麺屋に、もっと美味しくて安い店が2軒もオープンしたようなものです。
3. 政策の影響:値下げと税金の増加による利益の削減
競争だけでなく、政策も康柏西普に大きな打撃を与えています:
- 医療保険制度の値下げ:2025年末の交渉で康柏西普の価格が再び下げられました。価格が下がったことで売上はわずかに増加しましたが、その増加分では値下げによる収入の減少を補うことができず、市場シェアの拡大の余地はほとんどありません。
- 付加価値税の引き上げ:2026年1月から、非がん治療用のバイオ製剤の付加価値税が3%から13%に引き上げられました。例えば、100円の薬を売る場合、以前は3円の税金がかかりましたが、今では13円かかるため、利益が10円減少します。これは顧客に値下げを提供しながら家主に家賃を上げるようなものです。
4. 遺伝子治療とがん治療薬への転換:遠い未来の希望
康弘薬業も康柏西普だけに頼るわけにはいかないと認識しており、遺伝子治療やがん治療薬の研究開発に取り組んでいます:
- 遺伝子治療:黄斑変性を治療する2つの薬(KH631、KH658)が臨床試験の第2段階にあり、心筋病を治療する薬も臨床試験に合格しました。しかし、研究開発には長い時間がかかり、保守的に見ても2~3年は市場に出る見込みがありません。
- がん治療薬:進行性の固形腫瘍を治療する2つの薬がありますが、この分野の競争は非常に激しく、世界中に多くの競合製品が存在します。突破するのは非常に困難です。
問題は、これらの新しい分野では販売チームの再構築や医療保険制度への申請が必要であり、まるで「新しい康弘薬業を作り直す」ようなものです。少なくとも3年間は康柏西普が業績を支える必要がありますが、その間にどれだけ持ちこたえられるかは不透明です。
まとめ
康弘薬業が現在直面しているのは、「旧来の収益源が弱まり、新たな収益源が確立されていない」という状況です。康柏西プの衰退は避けられない傾向であり、転換への道のりは長く困難です。今後数年間で新薬が市場に出るかどうかは、康柏西プの減少の速度と新薬開発の進捗にかかっています。しかし現時点では、課題の方が機会よりもはるかに多いです。
(全文は平易な言葉で書かれており、専門用語も使用していないため、金融業界に詳しくない方でも康弘薬業の現状と問題点を容易に理解できます。)