核心内容の要約
順風(SF Express)は最近、本社の管理職の給与体系を調整し、固定月給の15%を四半期ごとの業績評価に基づく報酬に変更しました。これにより、従業員の間で「実質的な給与削減」との疑問が浮上しています(3ヶ月分の給与を前払いし、業績が悪ければその分が減らされると考えられています)。順風側は、これをインセンティブ制度の改善と説明しており、業績が優れた従業員の収入は増加するとしていますが、これは第一線の従業員には適用されません。また、順風は業績の成長が鈍化し、人件費が高騰しているという圧力に直面しており、コスト削減(管理職の給与調整)や国際化(極兔(Jitue)との相互持株)を通じて新たな成長路線を模索しています。従業員の中には、事前の協議がなかったことや今後の不利益を懸念して労働仲裁を検討している人もおり、順風の関連部門はこのような政策の実施を一時的に中止しました。
一、給与調整:従業員は「給与削減」と主張、会社は「インセンティブ」と主張——実際の違いは?
従業員の不満は明確です。以前は毎月確実にもらえていた給与の15%が、四半期の評価を待たなければもらえなくなり、「3ヶ月分の給与を前払いしたようなもの」だと感じています。例えば、月給1万円の場合、以前はその全額をもらえていたのに、今は8500円しかもらえず、残りの1500円は四半期の評価結果次第で全額もらえないかもしれません(評価が「B3」や「C」だと)。たとえ評価が「B1」や「B2」であっても、元の15%しかもらえず、結果として給与が3ヶ月遅れて受け取ることになります。
会社側の説明は「インセンティブ制度の導入」です。調整後、業績が優れた従業員(「A」や「B1+」)は以前よりも多くの給与を受け取ることができます(係数1.1や1.05)。しかし、従業員はこれを納得していません。一つには、優秀な従業員の割合が少なく、ほとんどの人が「B1」や「B2」の評価になるためです。もう一つには、事前の協議がなく、単純に「同意するか異議を唱えるか」を求められたため、強制的な措置だと感じています。
弁護士の見解も重要です。従業員との協議がなければ、これは実質的な給与削減と見なされる可能性があります。従業員が同意しない場合、労働仲裁を通じて経済的な補償を受け取る可能性が高いです。なぜなら、会社は従業員が自発的にこの変更を受け入れたと証明できないからです。
二、なぜ順風は本社の給与を調整するのか?業績圧力と人件費の高騰が原因
順風の状況は以前ほど良くありません:
- 人件費の高騰:2025年の人件費は1297.8億円で、収益の43%を占めており(収益100円のうち43円が人件費に消えている)、前年比で15.75%増加しました。
- 業績の成長鈍化:2026年上半期の収益成長率は5.9%で、2025年同期に比べて3.37ポイント減少しました。単票収入も2018年の23円から現在の14円に下落し(40%減)、2026年にはわずかに回復しましたが、利益の余地は圧迫されています。
なぜ本社の管理職の給与だけを調整するのか?それは、第一線の従業員(配達員や分類作業員)がサービスの核心であり、彼らの給与を変更すると配達の質に影響を与える可能性があるからです。一方、本社の管理職の給与は比較的調整しやすく、コスト削減に効果的だからです。
三、従業員の反発:面談や仲裁の準備、順風の関連部門は「降参」
従業員の反応は強烈です:
- 事前の通知がなかった:突然「同意するか異議を唱えるか」を求められ、尊重されていないと感じています。
- 異議を唱えると面談:異議を唱えた従業員は上司や人事部と話し合いますが、話し合いは単なる説明であり、新しい制度に従うよう求められます。
- 仲裁の準備:「来月の給与が減ったら証拠を残して仲裁する」と考えている人もいます。今回のような措置が始まれば、今後評価基準が変更されるのではないかと懸念しています。
興味深いことに、順風の子会社である順風の関連部門(丰巢)は従業員の抗議により、四半期ごとの業績評価制度の実施を中止しました。これは従業員の抵抗が効果があることを示していますが、本社はなおもこの制度を推進し続けています。
四、順風の「自助策」:極兔(Jitue)との協力、国際化による新たな成長の模索
国内の宅配市場はすでに飽和状態にあり(競争が激しいため)、順風は新たな成長路線を探さなければなりません:
- 極兔との相互持株:順風は極兔の10%の株式を取得し、極兔は順風の4.29%の株式を取得しました。王衛(Wang Wei)は極兔の非常勤取締役も務めています。
- 協同効果:国際的には、順風は国際配送事業を展開しようとしており、極兔は東南アジアや中東で強みを持っています。国内では、極兔は最終配送(例えば急便や丰巢の倉庫サービス)が不足しており、順風はその不足を補うことができます。
簡単に言えば、順風は極兔を通じて国際市場に進出し、極兔は順風の国内での不足を補うことで、お互いに協力して新たな収益源を探しています。
五、この論争の本質:企業のコスト削減と従業員の権利の対立
順風の考え方は「状況が厳しいのでコストを削減しなければ生き残れない」というものです。一方、従業員の考え方は「自分の給与は減らされるべきではなく、ルールが勝手に変更されるべきではない」というものです。
従業員にとっては、会社が本当に協議を行っていればそれは尊重されていると感じますが、突然の通知は「強制的な措置」に思えます。順風にとっては、人件費が大きな負担であり、コストを削減しなければ利益がさらに悪化する可能性がありますが、「インセンティブ」という名の下にコスト削減を隠すと信頼関係が損なわれる恐れがあります。
最終的な結果としては、一部の従業員が仲裁を通じて補償を受けて退職するかもしれませんし、順風はこの制度を継続するかもしれませんが、詳細を調整するでしょう(例えば優秀な従業員の割合を増やすなど)。また、丰巢の措置は順風に対して従業員の声を無視できないことを示唆しています。
総じて、この給与調整は業績圧力による順風のやむを得ない措置ですが、その処理方法が透明性に欠けているため従業員の反発を招いています。順風が国際化を通じて新たな成長を実現できるかどうかが、今後の方向性を決定するでしょう。一般の従業員にとっては、証拠(給与明細や通知など)をしっかりと保管し、必要であれば仲裁を行うことが重要です。