虎嗅

**国航の別の道**

原文:国航的另一条路

核心内容の要約

中国国際航空(CAAC)は最近、いわゆる「第五航権」を活用した2つのヨーロッパ路線(北京-ブカレスト-ザグレブ、北京-コペンハーゲン-レイキャビク)を新設しました。これにより、ヨーロッパ内の経由地間で個別に航空券を販売することが可能となり、中国からの出国旅行者とヨーロッパの地元住民の両方をターゲットにしています。これは、国内市場の圧力に対応し、ヨーロッパの航空会社が中国-ヨーロッパ間の路線を縮小する中でチャンスをつかもうとする中国の航空会社にとっての新たな試みです。これは、国際化が「海外への飛び出し」から「海外での定着」へと進展していることを示していますが、ヨーロッパの旅客の受け入れや運営上の調整という課題にも直面しています。

1. 第五航権:航空会社に与えられた「異国間移動」の特権

簡単に言うと、第五航権とは、ある航空会社が第三国を経由する際に、その第三国と別の国との間の旅客や貨物を単独で輸送できるという制度です。例えば、CAACが北京からブカレストへ飛び、そこでザグレブへ向かう場合、ルーマニア人はブカレストからザグレブまでの航空券のみを購入することができます。これは、CAACがヨーロッパ内でビジネスを行うようなものです。

なぜ今この制度が必要なのか?それは、国内市場が好調ではない(三大航空会社の上半期の予想損失は73億~89億元)ことや、原油価格の高騰によるコスト上昇が理由です。また、ロシア-ウクライナ紛争によりヨーロッパの航空会社はロシア領空を通過できなくなり、中国-ヨーロッパ間の路線の運航コストが増加し、多くの航空会社がこの路線の運航を縮小しています(ヴァージン航空はロンドン-上海便を、ブリティッシュ・エアウェイズはロンドン-北京便を一時的に運休しました)。一方で、中国の航空会社はより短い距離を飛ぶことができ、中国-ヨーロッパ間の輸送市場のシェアが70%以上を占めており、ヨーロッパの地元市場を獲得するチャンスがあります。

2. CAACの今回の試み:ヨーロッパ内の路線を主力に

以前は、中国の航空会社が第五航権を利用していたのは、より遠い場所へ飛ぶためでした(例えば北京-マドリード-サンパウロなどで、マドリードは途中停留地としてのみ機能していました)。しかし今回の2つの路線では、ヨーロッパ内の区間(ブカレスト-ザグレブ、コペンハーゲン-レイキャビク)が焦点となっており、CAACはヨーロッパを単なる中継地としてではなく、ヨーロッパ地域内の航空市場に直接参入し、ヨーロッパの地元住民から収益を得ようとしています。

3. これらの都市を選んだ理由:小規模な市場と中継地の組み合わせでコストを効率化

ザグレブ(クロアチア)やレイキャビク(アイスランド)への直行便は中国からの旅客数が少ないため、北京からこれらの都市への単独運航では毎週3便の大型機で運航するのが難しいです。ブカレスト(ルーマニア)やコペンハーゲン(デンマーク)といった中継地を利用することで、以下のような利点があります:

  • 北京から中継地への旅客を引き付けることができる。
  • 中継地から目的地までのヨーロッパ内の航空券を販売できる。
  • 同一便で多様な顧客層をターゲットにし、燃料費や乗務員などのコストを分散させ、利益率を高めることができる。

4. いくつかの課題:ヨーロッパの旅客はCAACを受け入れてくれるのか?

CAACがヨーロッパの地元市場を獲得するためには、いくつかの障壁を乗り越えなければなりません:

  • ブランドとチャネル:ヨーロッパの人々はルフトハンザ、エール・フランス、KLMといった地元の航空会社に慣れ親しんでおり、マイレージプログラムや予約アプリもこれらの会社と連携しています。CAACはこの点で優位性がありません。
  • 価格とサービス:ヨーロッパの旅客は地域内の航空券を選ぶ際に、まず価格を重視し、次に定時運航やサービスの質を考慮します。CAACの北京発の便が遅延した場合、それがヨーロッパ内の路線に影響を与える可能性がありますが、中国からの航空機だからといって顧客の評価が下がるわけではありません。
  • 運営上の調整:時差や地域を超えた便の運航は困難であり、問題が発生すると地元の顧客を失うリスクがあります。

5. 中国航空会社の国際化:「海外への飛び出し」から「海外での定着」へ

これまで中国の航空会社の国際化は、どれだけ多くの国や都市に飛んでいるかを評価してきました。しかし今回のCAACの試みは、国際化が単に「海外への進出」だけでなく、「海外での事業展開」も意味することを示しています。第五航権を活用して地元市場に参加し、路線を「中国から海外」へと拡大することで、「中国の旅客を輸送する」会社から「世界的な航空会社」へと変貌を遂げようとしています。その結果は注目に値します。

総じて、CAACのこれら2つの路線は賢明な試みですが、成功するかどうかは最終的にヨーロッパの旅客の反応にかかっています。また、これは他の中国の航空会社にとっても新たな方向性を示しており、国際市場では中国からの旅客だけでなく、地元住民の需要も取り込むことが重要であることを示唆しています。