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【テンセントの528億円に及ぶ計算能力の投資:モデル開発を優先、レンタルは最後の手段だが、その道のりはどれほど広いのか?】

原文:腾讯528亿算力账:模型优先,出租是退路,但退路有多宽?

核要内容のまとめ

テンセントの2026年第2四半期の財務報告は好調で(売上高が11%増加、調整後利益が9%増加)、しかしその背後には「計算能力への大規模な投資」という矛盾が隠されている。資本支出は176%増加し527.8億元に達し、一時的に自由キャッシュフローがマイナスとなった(AI計算能力の前払い金を除外するとプラスに転じた)。経営陣は計算能力の使用順序を明確にしており、まず自社開発のモデルトレーニング → その後自社AIアプリケーションの推論 → 最後に余剰な計算能力の賃貸という方針である。さらには「計算能力の注文を転売して30%の短期的な利益を得る」という機会も見送り、長期的なAIビジネスの高い利益を目指している。今後12~18ヶ月が重要な検証期間であり、成功か失敗かはモデルが実際に機能するか、内部アプリケーションが計算能力を効果的に活用できるかにかかっている。そうでなければ、数百億元の計算能力への投資は長期的な減価償却の負担となるだろう。

1. なぜテンセントは30%の短期的な利益を得ないのか?

電話会議で劉炽平(リュウ・チーピン)は「今、計算能力の注文を転売すれば30%以上の差額を得られる」と述べた。しかしテンセントはそうしなかった。これは愚かな選択ではなく、「短期的なアービトラージ」と「長期的なビジネス」の違いを理解しているからだ:

  • 短期的なアービトラージ:コンサートチケットの転売のように、GPUの供給不足や納期の遅れを利用して一時的な利益を得るが、その波が過ぎれば終わりだ。
  • 長期的なビジネス:計算能力を使って自社のAIモデル(例えば「混元」)やアプリケーション(例えばWorkBuddy)を開発することで、継続的に利益を得ることができる。

経営陣の考え方は、今すぐ計算能力を賃貸して短期的な利益を得るよりも、自社のAI事業の基盤を築くことに力を入れるべきだというものだ。

2. 計算能力の賃貸は本当に信頼できるのか?

テンセントは「余剰な計算能力を賃貸できる」と述べているが、その道は簡単ではない。3つの条件を満たさなければならない:

1. 内部需要が十分か:混元のトレーニングやWorkBuddyの推論、微信AIが計算能力をすべて消費してしまっている場合、余剰は存在しない。現在、微信AI部門でさえ国産の計算能力を確保できない状況だから、「余剰」は将来の目標だ。

2. 減価償却に追いつけるか:GPUの使用寿命は約2.5~3年であり、モデルが機能しなければハードウェアはすぐに減価償却される。その後賃貸しても、得られる収入が減価償却費をカバーするかどうか疑問だ。

3. 市場の状況:2026~2027年には世界中でGPUの生産能力が集中して供給されるため、賃貸料は下落する可能性が高い。

また、テンセントには「調整機能」もある。推論用の計算能力の投入とビジネスの収益を連動させており、アプリケーションが利益を生まない場合は計算能力の購入を減らすことで、賃貸の可能性も変わってくる。

3. WorkBuddy:AIビジネスの第一の「試金石」

WorkBuddyはテンセントにとって最も明確なAI商用化の事例だ。データは好調で、PC版の月間アクセス数は2097万件(業界トップ)、クロスプラットフォームの月間ユーザー数は2000万人で、有料ユーザーの粗利率はテンセントクラウドとほぼ同じだ。しかし、2つの懸念点がある:

  • 有料化の進捗:企業向け版は月額198元からだが、多くのユーザーが無料で試用しており、有料化の割合や顧客獲得コストは公開されていない。
  • 混元との関連性:WorkBuddyは第三者のモデル(例えば飛書や钉钉)も利用できるため、ユーザーがWorkBuddyを使っても必ずしも混元を使っているわけではない。WorkBuddyのトラフィックを収益に変えるには、混元が実際に第三者モデルよりも優れている必要がある。

しかし良いニュースもある。Hy3の正式版の日平均Token使用量はプレビュー版の7倍であり、モデルの能力が向上していることがわかる。

4. 微信AI:最大の計算能力の「消費者」か「収益源」か?

微信AIはテンセントの最も重要な差別化要素だ。完全に導入されれば、必要な計算能力はテンセントシステム内で最も多くなる。経営陣は「投資規模は過去1年間の元宝への投資よりも少なく、コストはコントロール可能だ」と述べているが:

  • 計算能力の需要:完全に導入されれば、推論用の計算能力の需要は現在のグレースケールテスト段階を大幅に上回る。
  • リリースのタイミング:モデルがさらに進化するまで(自社開発のWeLMや各ビジネス向けの小規模モデルを含む)、公開時期は未定だ。
  • 資源の競合:WeLMは微信エコシステムに特化しており、高性能を追求する混元とは異なるため、計算能力の競争はない。

微信AIが成功すれば大量の計算能力を効果的に活用できるが、遅れると計算能力が無駄になる可能性もある。

5. 今後12~18ヶ月:テンセントAIの成否の分かれ道

経営陣はモデルトレーニングへの集中投資は「主に今後2年間」で行われると述べている。この12~18ヶ月がテンセントAIの方向性を決定する:

  • シナリオ1:モデルが成功し、混元が海外のフラッグシップ製品に追いつき、WorkBuddyの有料化率が15%を超え、微信AIが完全に導入される。計算能力はすべて内部で消費され、賃貸は補助的な手段となる。
  • シナリオ2:モデルが平均的な性能だが、特定のシナリオでは優れている。余剰な計算能力を段階的に賃貸する。
  • シナリオ3:モデルが期待に応えられず、計算能力を大量に賃貸せざるを得ないが、賃貸料の下落や減価償却の圧力に直面する。年間の減価償却額は100~130億元であり、賃貸収入は60~80億元にとどまる可能性がある。

また、混元(TEG事業群)とWeLM(微信事業群)は異なるチームであり、計算能力の配分が適切に行われるかが問題だ。内部で資源を争う場合、モデル優先の戦略は効果を発揮しない可能性がある。

まとめ

テンセントはAIへの投資を通じて「計算能力の量」ではなく、「計算能力を製品機能に変える能力」を競っている。この12~18ヶ月が勝敗を決定する時期だ。